性感催眠療法とは?男性向けの適応もある?
催眠術の活用方法としては様々な種類がありますが、主にエンタメ系、催眠療法系、エロ催眠(性感催眠や催眠音声)系がメインではないでしょうか。
今回のコラムでは、催眠療法とエロ催眠をかけ合わせたジャンルである性感催眠療法について、どういったものなのかということや、どういった効果が期待できるのかについて解説していきます。
当店では性感催眠を風俗店のプレイの一環として提供していますが、性的なお悩みの解決方法として提供しているお店も存在しています。
目次
催眠療法(ヒプノセラピー)とは?
まずは催眠療法(ヒプノセラピー)とはどういうものなのか?
催眠療法とは施術者がクライアントに催眠をかけて治療やセラピーを行っていく施術のことです。
一般的な医師免許を持つ医師や国家資格を持つ心理カウンセラーにより提供されているものと、無資格や民間資格を持つセラピストによるヒプノセラピーがあります。
前者は一部のクリニックでしか行われておらず、一部の施術において保険適用となりますが、現実問題として採算が取れないので一般的には自由診療となります。後者は催眠療法を謳っていますが、暗示療法と、スピリチュアル系の前世療法がメインとなっており治療行為ではありません。
厚生労働省が発信している催眠療法についてのページでは、『一部の研究が有望な結果を示していますが、全般的にエビデンスは決定的ではありません。』と示されており、まだまだ発展途上な分野です。
厚生労働省eJIM | 催眠療法[各種施術・療法 – 医療者]
「統合医療」情報発信サイトの「海外の情報(医療関係者へ)」のページです。「統合医療」情報発信サイトは、民間療法をはじめとする相補(補完)・代替療法*と、どのように…
催眠療法においては、受け手側の被験性(催眠のかかりやすさ)に大きく左右されたり、『催眠術』に対する怪しいイメージが拭えない等の問題が有るため、医療の現場に持ち込むのは日本ではハードルが高いようです。
そこで、日本において催眠療法というと、被験性が高いスピリチュアル系の方を対象とした前世療法が発展してきたのではないでしょうか。
性感催眠療法とは?
性感催眠療法とは、施術者がクライアントに催眠をかけた上で性的な問題を解決していくアプローチを行っていく施術のことです。
最近では、女性向けの性感催眠療法を謳っているお店や個人が増えてきていますが、明治〜昭和にかけて発行された本の中でも女性の不感症に対しての有効性が示唆されていました。
例えば昭和34年に発行された『催眠面接の技術』(著・成瀬悟策)の中でも以下のように説明されています。
真の不感症は膣痙と、オルガスムに達しない冷感症を含み、いずれも無意識機制に基づくとされている。すなわち、性交を享受できない心理学的な仮装として生理学的症状を利用しているのだとされ、注意深い生理学的検査と心理・性的な発達史とを調べてみると、本当に器質的な疾患のある婦人と、神経症的な場合とを区別できると言われている。ふつう、この症状は深い原因をもつので、表面的な療法よりも、分析的な催眠療法を進めることが必要とされている。
女性の不感症については、精神的な問題が大きく関与しているので、性感催眠療法との相性はいいと思われます。
性感催眠療法は性感開発に有効?
療法と言っていいかというと疑問が残るところですが、、
不感症のみならず、感度を良くしてオーガズムを体験する方法としても有効なので、中イキや脳イキ等の性感開発でも催眠術のテクニックが使われています。もちろん、女性向けだけではなく男性向けのドライオーガズムの体験の際にも有効です。
男性向け性感催眠療法では何の改善が期待できる?
女性向けには精神的なものが起因となっている不感症の改善や性交痛の改善の期待ができます。それでは、男性向けではどうでしょうか?
男性の性的な悩みとしては、主にED、早漏、遅漏(膣内射精障害)等がありますが、いずれも適応できる可能性はあります。可能性はありますが、あまり期待はしないほうが良いと思います。
性機能不全に対する催眠療法の研究は海外の方が盛んらしく、『現代催眠原論』(著・高石昇,大谷彰)によると、1960年頃にはすでに催眠によるED治療に関する研究も行われていたようです(女性向けの不感症に対しても1990年頃に研究成果が発表されています)。
性機能不全の分類の礎を築いた重要人物である精神科医のカプランも催眠療法を使用していました。
このように一時期、性機能不全への催眠の適用は盛んに行われていた時期もありましたが、残念ながら現在では研究が盛り下がっているようです。
ちなみに、EDに対する性感催眠療法については面白い事例があります。
EDに対する性感催眠療法の例
この事例は、松岡圭祐さんという昔催眠術師としてテレビで一世を風靡した小説家の方の著書『催眠術バイブル 他人を操る驚異のテクニック』で紹介されていたものです。
松岡さんは以前大学に通いつつ催眠療法のカウンセラーの方のお手伝いをしていた頃、EDに悩みを抱える男性が相談に来たそうです。
『彼女とセックスをする際に全く勃たずに困っている。身体に特に異常は無く、原因も全く分からない。』という悩みでした。
この悩みに対して松岡さんは、年齢退行という催眠療法の方法によって原因を探っていきます。
そしてとある年齢のときに『ウルトラマン』に対して、恍惚とした表情を浮かべたことを松岡さんは見逃しませんでした。
結論を言うと、このEDに悩む男性は、『幼い頃にウルトラマンに対して欲情するという性癖が無意識的に染み付いてしまっていた』のが現実的な女性に対して勃たないという症状を引き起こしていることが判明したのです。
原因さえ分かってしまえば、その思い込みに対してアプローチをかけて改善を図ることが可能になります。
男性向け性感催眠療法のやり方
松岡さんの事例は、特殊な潜在意識の悪影響によるものですが、一般的なEDの精神的な原因としては過度な緊張によるものが多いです。そういった緊張系が要因である場合はリラックスとイメージを利用した暗示療法等が有効です。
『新版 催眠法の実際』(著・斎藤稔正)の中で、性に関する諸問題として男性の性的不適応について取り上げられています。そこでは催眠療法による改善方法の一つとして以下が紹介されています。
催眠状態で性交場面のイメージを想起させ、まずリラックスしている自分を、さらに十分勃起して普通に成功できた場面を思い浮かべさせる。そこで、この心身のリラックスした状態での性交は、覚醒したときにも十分可能であるという後催眠暗示を与える。
性感催眠療法の適性について
過度な緊張によるものや、松岡さんのような事例はなかなかレアケースですし、EDについては加齢によるものや肉体的な要因によるものも多いので、催眠療法には期待しすぎない方がいいと思います。
また、年齢退行や前世療法といったヒプノセラピーは催眠がかなりかかりやすい人じゃないと上手くいきません。特に前世療法については、発明者であるブライアンワイズ博士というアメリカの催眠療法家の方曰く、適応するのは2,3%くらいと言っているほどです。
年齢退行や前世療法については過去のトラウマを呼び起こしてしまう可能性もあると言われています。性感催眠自体はそこまで深くしなくても十分楽しめるので、基本的にはヒプノガールでは深催眠はあまりやらないようにしています。
まとめ
男性向けの性感催眠療法の活用法としてはEDの改善がありますが、近年ではバイアグラ等が発明されており、基本的には薬物療法を行うのが一般的です。
性感催眠療法の活用方法としては、やはりドライオーガズム開発への補助や、催眠音声や風俗プレイ等のエロ催眠としての活用法が一番しっくり来るのではないでしょうか?